オタクがタイムスリップして大活躍「戦国コミケ」

オタクがコミケ会場から、戦国の世にタイムスリップ。「戦国コミケ」は、そんな物語です。作者は横山了一先生。

奇抜な設定ですが、意外なほど読みやすく、後味は爽快。

主人公の今野タケシは筋金入りのオタクですが、順応力が高く、紳士的。いきなり合戦場に移動しても、慌てず騒がず対応します。コミケで目当ての本を探す為に鍛えたサーチ力で、敵の大将をロックオン。そしてコミケで鍛えた脚力でダッシュ&なぜか持っていた、萌えキャラクターの抱き枕カバーで袋詰めし、生け捕りに。

コミケ用の知識やスキル、グッズをフルに活かして戦国の世を渡り歩く姿が、妙に面白いのです。

タケシはネルシャツにリュックに眼鏡、バンダナという古式ゆかしいオタクですが、それを誇るでも卑下するでもなく、「自分は自分」と、のびのびしているのが良いところ。戦場でも休憩時間に同人誌を読み、神絵師の絵を眺め、家には萌えキャラクターのポスターを貼って、住み心地良く。「好きな物は好き」というタケシのブレない姿は、不思議な痛快さがあります。他にも、男色趣味のある信長にBL(ボーイズラブ)同人誌をあげて喜ばれたり、イエズス会の使者を現代のお菓子でもてなしたりと、大活躍。また服の破れをつくろったり、ソーラー充電器でスマホを充電したりと、しっかりセルフケアもこなしています。

タケシが仕える豊臣秀吉を始め、柴田勝家や竹中半兵衛など、歴史上の武将も続々登場。まだ単行本一巻しか出ていませんが、二巻では新たな人物も出てくるそうで、ますます楽しみです。なお、タケシの眼鏡の下は意外とイケメンなのですが、それを全く活かせていないのが、タケシらしいところ。

巻末オマケ漫画では、幕末にタイムスリップした妹・マコトも大活躍で、ますます続きが楽しみです。